文章を書く準備段階に便利なツール WorkFlowy
最近、WorkFlowy というツールを使っています。研究計画を書くにあたって、自分の問題意識・研究の背景、先行研究、その他いろいろとアイデアを出さなければなりません。
そのときに、メモ帳やエクセルを使って書き出すのもいいですが、もっといいツールがあります。それが workflowy です。
上のサイトにアクセスしても簡素すぎてよくわからないですね。登録方法や簡単な使い方はこちらが便利です。
スマホアプリもあるので、パソコンで書いたものを移動中に見ることもできますし、突然の思いつきを付け足すこともできて便利。実際の画面はこんな感じ。
メモ帳やエクセルと違って、項目の付け出し・移動・整理が簡単です。思考の邪魔をしない。とにかく思いついたことをダダーと打ち込んで、整理して、それを文章に直していく(文章するときはワード)。この一連の作業はとてもスムーズにできます。
workflowy を使って文章を作るコツはこちらの電子書籍が有益です。とても勉強になりました。オススメ。
刺激を得るための場を探す
今日から修了した同志社ビジネススクールの春学期後期の授業におジャマしています。昨年度の受講者は私を含め2名という超少人数クラスだったのに、今年はたくさんいます。ひょっとして、昨年の受講評価でベタボメしたからかも、と思ったけれど、そんなわけないか…。
今年3月に修了して、いまは後期課程に通っていないので、刺激を得るために通っています。なかなか刺激を得る場はないのです。東京ならあるかもしれませんが、大阪にはなおさらありません。
Kobe.R や関西計量社会学研究会はありますが、マーケティングやサービス研究の場は本当にない…。
仕方がないので、マーケティング論を学ぶ勉強会を立ち上げようと画策しています。こうご期待(約束はできないですけど)。
効率的な論文の読み方とは? 論文の読み方を知るための論文
いま、進学のために書く研究計画書をよいものにしようと、質の高い論文を読むのに苦心しています。「博士(後期)課程の1年目は論文100本くらい読む」と師匠的存在から言われていますが、どうせなら質の高い論文に出会いたいものです。
今日読んだのは "How to read a paper"(Kehav 2007)*1です。どんな人かは知りませんが、まぁ短いし、ということで読みました。暗黙知的にやっていたことも多いですが、まとめてみます。
【論文の読み方】
効率的な論文の読み方を学ぶことは重要だが、めったに指導されない。論文を読むには3つのステップがある。第1ステップで論文の一般的なアイデアを得て、第2ステップで論文の内容を理解し、第3ステップでより深く理解する。
第1ステップ(5~10分)。第1ステップで印刷して続けて読むかを決める*2。
- タイトル、アブスト、イントロ部を注意深く読む。
- 節・項の最初のほうを読む。他のところはすべては無視する。
- 数学的な内容(もしあれば)をざっと見て、理論的な基盤を確認する
- 結論を読む。
- 参考文献を概観し、頭の中ですでに読んだことがある論文を挙げる。
第1ステップで5つのCに答えられないといけない。
Category:論文のタイプは? 計測か、既存のシステムの分析か、試論か。
Context:他のどんな論文と関係しているか? どんな理論的な基礎が使われているか?
Correctness:仮定は妥当か?
Contribution:論文の主な貢献は何か?
Clarity:論文は明解に書かれているか?
第2ステップはより注意して読むが、論証のような詳細部は飛ばす。知らない用語や著者に質問したいことをメモしておくとよい。かける時間は1時間まで。
- 図、表などを詳しく見る。特にグラフには注意する。軸ラベルは適切か? 結果はエラーバー付きで結論は統計的に有意か?
- 読んだことがない文献をマークしておく
第2ステップを終えたら、3つの選択肢のうちからどれかを選ぶ。
- その論文を読まない(自分のキャリアには必要ないと期待しつつ)。
- あとで読むために取っておく(背景知識を得たら戻ってくる)。
- 第3ステップに進む。
第3ステップは初心者だったら4~5時間かかる。ベテランなら1時間くらい。第3ステップでは、著者と同じような仮定を立てて、論文を"作りなおす"。再創造によって、論文の新規性や隠れたミスも見つけられる。第3ステップでは、将来の研究のために思いついたアイデアは書き留める。
詳細はぜひ原典にあたってください。
普通にビジネススクールを修了した人よりも論文を読んでいる自負はありますが、まだまだ読み慣れていません。「こう読めばよい」と直接誰かから教わったことはなく(私の周りのほとんどの方がそのようです)、手探りだったり、Amazon で研究方法の本を買って読んだりしてきました。
ちょうど、deepdyve を使って論文を読んでいる時に、「これがオススメ」とレコメンドシステムに言われたのが今回の論文です。deepdyve は月額制の論文レンタルサービスです。大学に所属していない人間には便利。
2週間無料期間で使っています。継続するかどうかは悩み中。
*1:Keshav, S. (2007). How to read a paper. ACM SIGCOMM Computer Communication Review, 37(3), 83-84.
*2:つまり、第1ステップはPC上でやるみたいですね
筑波大 社会人大学院(東京)の説明会に参加
2015年6月13日13時半から開催された企業科学専攻(博士)・経営システム科学専攻(修士)の説明会に参加してきました。2専攻同時開催です。私は後期課程である企業科学専攻のほうに参加。
企業科学専攻の説明会の出席者者40名ほどでした。けっこういてビックリ。毎年の受験者が50名くらいなので、まぁ妥当な集まりなのでしょうが、社会人でありながらもっと研究・学ぼうとする方は多いのですね*1。
この説明会には事前申込みは必要ありませんでした。直接会場に行ってOK。最初にアンケートに答えて、2専攻別会場で行われます。13時半から15時10分までは説明。その後、解散でした。
15時20分から経営システム科学専攻の教室で模擬授業が行われていたので、ついでに参加。テキストマイニングの研究発表でした。さらに別室では過去の修士論文の概要や各研究室の紹介ポスターが掲示されていました。
ちなみに、経営システム科学専攻の説明会には200人くらいが参加していたのでは。ビックリ。少しでもDBSに回ってきてくれたいいのに。東京~京都って、通学できますよ…*2。
社会人の皆さんも学会に行こう!
社会人大学生のころは比較的、学術学会の大会(カンファレンスとかコンファレンスなどとも言われる)は行きやすかったです。しかし、修了してフツーの社会人になったは今はちょっと行きづらい。
学生のときは所属先に「●●大学大学院●●専攻」と大学名を書けば、すんなり参加できる気がしますが、普通の社会人のときの所属先は会社名になってしまいます。なんだか浮いてしまっている感じがするんですよね。そして、学会員でなかったらちょっと敷居が高い。参加できないんじゃないか、とすら思ってしまいます。
でも、意外と参加OKだったりします。おもしろそうが学会の研究発表大会があったら、ぜひ事務局に問い合わせてみてください。参加OKまでは簡単です。
- 事務局に問い合わせ(※とても丁寧な言葉で問い合わせすること)
- 研究大会の大会長に問い合わせが行く
- 参加OKという知らせが事務局から届く
という流れ。もちろん参加NGという学会があるかもしれません(いままで3つの学会に問い合わせしましたが、どれも非学会員の参加OKでした)。
さて、私は社会人の方にこそ、学術学会の研究大会に参加してほしいと思います。メリットは次のとおりです。
- 最新の研究トピックに触れられる。
- 実務のヒントが得られるときもある。
1番目のメリットは研究に興味がある人だけのメリットかもしれません。しかし、2番目は一般の社会人にとっても大きなメリットになります。
学術学会は専門家の集まりですが、その発表はいろいろな専門に分かれています。なので、自分の知らない業界のことも知ることができます。
私たちは同業の実践・研究のほうが参考になると思いがちです。でも、もし簡単に同じ業界である自分の仕事に適用できるノウハウだったら、すぐに広まっているはずです。そういう意味で同業ばかりを見ていては「素晴らしいだけど、うちにはムリ」というノウハウばかりを知ることになります。
だから、あえて異業種のことを知る必要があります。異業種の実践・研究を見れば、「このネタは活かせそう」というものが1つや2つはあります(なければ、自由な目で見てないのです)。それが最先端のトピックなら、まだ自分の同業ではなされていないことです。
ここに社会人が学術学会に参加する意義があると思います。ぜひ、社会人のあなたも学術学会の研究大会に参加してみませんか?
研究者の役割、実務家の役割
普通のビジネスパーソンの方にも、アカデミックな世界をもっとのぞいてみてほしいな、と最近はよく思います。「研究なんて机上の空論だ」と批判する人がい ますが、そんなの当たり前です。そういう研究をするのが研究者のお仕事。それをどう活用するかは、私たち実務家の役割です。
私は両方できるようになりたいと思っています。簡単な道のりではありません。でも、両方できる研究者・実務家は存在します。そんな方たちの足下にも及びませんが、そういう存在を目指してがんばっていこうと思います。
さて、今年の日本商業学会の全国研究大会のテーマが「サービス」なので、参加しようと事務局へコンタクトを取りました。基本、会員向けのイベントなので、非会員である私は特別にお伺いを立てる必要があります。
詳しくはこちら→全国研究大会 | 日本商業学会
事務局へメールすると「大会長へ確認してみる」となってドキドキ。そして、大会長から直にメールが届く。その方が修士論文を書くときに参考にした論文を書いた先生なので、そのお礼を伝えたところ「修士論文を送って」となり、さらにドキドキ。
アカデミックな世界にはまだ慣れていないので、こういう簡単と思える手続きにも緊張してしまいます。無事、参加OKとのことで今月末は高松へ。
久しぶりの「うどん県」。高松市は初めてです。