Knowledge As Practice

JAIST(東京)で Transformative Service Research に取り組んでる社会人大学院生の研究・勉強メモ

行動計量学会 春の合宿セミナーに参加

機械学習(Aコース)ではなく、統計分析のコース(Bコース)を選びました。2016年3月25日~27日の3日間開催されるのですが、仕事やその他の都合で25日夜~26日の夕方までの参加です。

 
概要はこちらのページにあります。
http://www.bsj.gr.jp/event/spring_semi.html#18th

 
HAD はこれまでちょくちょく使っていたのですが、開発者直々に教えていただけるよいチャンスだと思って参加した次第です。ちなみに、私の使い方は

  • ざっとデータを HAD でいじってみて、あたりをつける。
  • その後、R や SPSS などで確かめる。

 
という、たぶんよくある使い方をしています。HAD の使い方で今回いちばんヒットしたのは、データの読み込みボタンがあること。ぜんぜん気づきませんでした…。とても便利*1

 
春の合宿セミナーについての他の感想としては、こういう会にもっと社会人大学院生が出てくれたらいいなということです*2。ふだん忙しいからこそ、ちょっと時間をがんばって作って、1日でもいいから集中して学べる環境にいると、効率よく勉強できると思います。

 
それに直接、講師の先生に質問できるいい機会です。講義修了後の懇親会的な催しで、いくつか質問に答えていただけて、統計分析の悩みがすっきりしました。やっぱりフットワーク軽く、詳しい先生のところに訊きに行くのはとても大事だなと再確認できた2日間でした。

*1:基本、コピペで済むんですが、まれにショートカットキーを押し間違えて、貼り付けできないことがある自分には便利。

*2:機械学習のコースには社会人が多いように思いました

その有意差に意味あるの? ~ノンパラメトリック検定と効果量の出し方~

Kobe.R 第24回で発表をしてきました。今回は来週日曜日に金沢で発表する内容のデータ分析部分(特にRの操作)をメインに切り出したものを発表しました。

 
↓使用したスライドはこちらにあります↓
RPubs - Rによるノンパラメトリック検定と効果量の出し方

 
slideshare はこちらです。Rstuido だと Rpubs にも PDF にも簡単出力できるので便利ですね。

www.slideshare.net

トピックとしては

  • wilcox.test(マイ・ホイットニーのU検定)は formula を使ったほうがわかりやすいこと。
  • 効果量 cliff の d は orddom パッケージの delta で確認できること。
  • R の発表は Rmd が便利だよ。

の3つでした。

 
使用したデータはこちらからダウンロードできるようにしました。どうぞお試しください。
Dropbox - data2.txt

 
 
@kazutan先生にご参加いただき、Rmd を使って発表できたいい経験ができました。というか、急遽、Rmarkdown について発表をお願いいたしました。急なお願いにも対応してくださり、感謝です。

 

【追記 2016年3月6日】

今回のデータのように順位にタイがある場合のウィルコクソンの順位和検定は coin パッケージの wilcox_test() がよりよいようです。でも、結果はほとんど変わりません。

 
【普通のウィルコクソンの順位和検定】

wilcox.test(rank ~ gender, data = d, correct = F)

Wilcoxon rank sum test

data: rank by factor(gender)
W = 27532, p-value = 0.07193
alternative hypothesis: true location shift is not equal to 0

 
【coin パッケージのウィルコクソンの順位和検定*1

wilcox_test(rank ~ factor(gender), data = d)

Asymptotic Wilcoxon-Mann-Whitney Test

data: rank by factor(gender) (0, 1)
Z = -1.7995, p-value = 0.07193
alternative hypothesis: true mu is not equal to 0

 
【より正確にするならこう】

wilcox_test(rank ~ factor(gender), data = d, distribution = "exact")

Exact Wilcoxon-Mann-Whitney Test

data: rank by factor(gender) (0, 1)
Z = -1.7995, p-value = 0.07194
alternative hypothesis: true mu is not equal to 0

*1:gender を因子型にしないと動かない。

Kobe.R で発表「しません」でした

2015年10月3日(土)は Kobe.R に参加してきました。20名弱の参加だったと思います。グランフロント大阪・ナレッジサロンのミーティングルームを使っての開催でした。今回は発表者が多く、私も発表する予定でしたが、時間的に断念しました。

 
発表する予定だったテーマは「速習 R Markdown」です。さらっと R Markdownについて見た後、ハンズオンでやってみよう、という企画(の予定でした)*1

www.slideshare.net

 
スライドはパワポで作成しています。本当は .Rpres で作るべきだったのですが、「スライドシェアでアップできないじゃん!*2」と思い込み、パワポで作成。

 
もちろん、図をたくさん使うとか、細かい図の位置修正などをする場合はパワポのほうが向いているという理由も大きくあります。

 
Kobe.R で発表される内容は文系(社会科学)に私にとってはけっこう厳しいものがあります。7割くらいは何を言っているのかわからない…。でも、勉強になるものもあります。今回はベイズ統計やglmmstan の紹介がとても参考になりました。

 
なお、次回は2015年11月3日(祝)です。まだ正式な案内は出ていません。Kobe.R のページはこちらです。開催予定が更新されるかもしれないので、ぜひチェックしてください。

https://kobexr.doorkeeper.jp/

*1:次回に回さそうと思ったのですが、せっかくスライドを使ったので、公開します。権利関係上、実際に使用する予定だったスライドから、いくつかネタを削除しています

*2:Rpubs を使えばいいのに気づかなかった…

第11回「価値共創型マーケティング研究報告会」に参加してきました

2015年9月27日(日)は大阪産業大 梅田キャンパスにて、「価値共創型マーケティング研究会」に参加してきました。これは日本マーケティング学会のリサーチプロジェクトの1つで、定期的に東京と大阪で開催されています。前回は参加できなかったので(っていうか、申し込みを忘れてた)、半年ぶりの参加です。

www.j-mac.or.jp

 
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この会は「価値共創」をメインテーマに、質的研究を通して理論を構築を目指しているように思います。最近は統計分析の勉強ばかりやっていたので、質的研究に触れられる機会はとても貴重なのです。

 
今回は発表が2つありました。1つは神戸大MBAを修了されて、広島大の後期課程に進学された方からのもの(うらやましい!)。もう1つは茨城大の先生からのもの。どちらも、たいへん勉強になりました。

 
だいたい30分くらいの発表後、1時間ほど討議を行います。前に座ったので、「質問をしなければならない」という強制力が働いて、質問することができました。私のような人間は、前に座ることが必要です…。

 
記憶によると、次のような質問をしたと思います。

  • 研究対象の企業は顧客との直接的な相互作用を大切にしているが、顧客からの声をもらうときに、何か特別に工夫していることはあるか?

  • 顧客との直接的な相互作用、消費プロセスに入り込む、ということを続けて商品開発などを行うと、いろいろアイデアは出てくる。ただ、いろいろ出てくる分、企業の活動の範囲・境界線がどんどん曖昧になってくるのではないか。どのように範囲を決めればよいのか?

  • キューピー(マヨネーズ)のように、全国区で誰もが知っているようなブランドは典型的な4Pマーケティングを行っているように思う。それに対して、今回発表された企業はどちらも地域密着志向で、やっていることは泥臭い(いい意味で)。価値共創型マーケティングは全国区、マーケティングのメインストリームになる可能性はあるのだろうか?

 
先生方から「いい質問です」といってもらえたのが救いです。いつか質的研究もちゃんと取り組めるようになりたいと、気持ちを新たにできた1日でした。

研究者養成合宿「マーケティング 夏の学校」に参加しました

2015年8月10日から12日まで、日本商業学会が催す「マーケティング夏の学校」に参加しました。ざっくり言うと、研究者養成合宿です。

 
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将来、研究者を目指す大学院生を対象にしているようで、事実、ほとんどがそういう方々でした。でも、研究者を目指さない人、どうするかは決めていない人も参加可能な素敵な合宿です。

 
今年で4回目だそうで、場所は神戸市の六甲山にある関西大学 六甲山荘でした。運良く、関西での開催で、運営されている先生にご紹介いただいて参加した次第です。参加してよかったところは次のとおりです。

  • ネットワークができた。
  • 山の中にこもって他にやることがないので、研究をすすめることができた。
  • 自分の研究について、研究者志望および先生方から貴重な意見を得られた。
  • 自分の知らない分析手法、ツールを教えてもらえた。
  • 論文を投稿することに決めた。

 
私には2つ目が重要で、「この分析をやってみたいなぁ。でも、うまい結果が出なかったらイヤだなあ」とウダウダ考えていたことを実際にやれたことです。さらに発表もできました(発表内容は理解されなかったけど)。

 
さて、全体の流れです。初日はお昼12時半に現地集合。だいたい30人ほどいたでしょうか。初日は偉い先生からの講義(研究者としての心構えやどう研究するかという内容)からスタート。

 
講義後の質疑応答で「論文を書いて数日寝かせても、なかなか客観的に自分の論文を読むことができない。恥ずかしいというか…。いったいどうすればよいか?」と質問したのですが、「そんな研究ならやめてしまえ!」と言われたのが衝撃でした。自分の覚悟のなさも思い知ることに。大反省…。穴があったら入りたい状態。

 
その後、2つのグループに分かれて各人の取り組んでいる研究を発表しました。事前課題として研究概要を提出しており、その内容でグループ分けをされたようです。メンバーは21歳からアラフォー(私のような)まで幅広い構成。自分の興味があるものとは違う内容を研究されている方の発表を聞くのは新鮮でした。発表後はフィードバックをみんなで行います。

 
ちょうど半分くらい終わったところで、夕食。18時スタート。なんと規則正しい生活か。夕食が終わると懇親会。エンドレス。ネットワークづくりにはとてもいいものだと思います。私は9時くらいに部屋に戻りましたけど…。

 
2日目は朝から昨日の個人研究発表の続き。私は2日目の発表でした。お昼ごはんのあとに学会長からの懇談会。そして、日本商業学会のジャーナル『流通研究』編集長から、論文投稿のススメ・研究方法のお話がありました。2日目の最後は個人研究発表のさらなる続き。残り2人になったので、手法を変え、とにかく細かく突っ込んでいきました(これはかなりきつい)。

 
なんと、2日目の夕食後も懇親会があって、午前3時まで熱心にコミュニケーションしていたらしいです。若い人すごい。私は8時くらいに部屋に戻りましたけど…。3日目は2日間の振り返りを行って、閉校式後に解散。

 
来年もスケジュールが空いていたら参加したいですね。

Kobe.R で発表してきました!

社会人の場合、仕事が込み合ってくると、勉強の時間を避けない事態がまま発生します。そういうときもイライラせず、「●日後にはこの状況を抜けるので、次はこういう勉強しよう」とスケジュールを再確認するのがメンタル的にもいいように思います。というわけで、10日ぶりのブログ投稿になります。

 
さて、昨日(2015年8月30日)は R 勉強会グループの Kobe.R で発表を行いました。発表タイトルは「グラフは ggplot2 だけじゃない! ggvis 入門」です。発表スライドはすでにアップしています。

 

www.slideshare.net

 
私の発表前に、dplyr・tidyr・ggplot2 を使った作図を発表された方がいらっしゃったので、ちょっと気まずかった…。今回のテーマを選んだ理由は、ggplot2 よりさらっと作図ができるパッケージを紹介したいと思ったからです。ggvis の特徴は次のとおりです。

  • aes() とかいらない。
  • geom より、layer という言葉のほうが馴染みがあるし、覚えやすい。
  • +ではなくて、ぜんぶ %>% で表現するのでシンプル。

 
もちろん、いいところだけではなくて、ggplot と比べれば、悪いところが多いです。そのため、まず「ggvis のイマイチなところ」を先に発表して、その後、ggvis の扱い方をお伝えしました。そして、「グラフなら、なんでもかんでも ggplot2」ではなく「場合に応じて使いわけようぜ」という主張で締めました。

 
ggvis でできることは、Shiny と ggplot2 でできます(むしろ、後者のほうが高度なことができます。たぶん)。でも、手軽に使うなら ggvis がオススメです。 

日本マーケティング・サイエンス学会 研究大会に参加

日曜日(2015年6月14日)は、大阪府立大に行われた日本マーケティング・サイエンス学会の研究大会に参加してきました。今回で2度目になります(たしか昨年は関西学院大学だったような)。

 

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駅から意外と遠い。



昨日は筑波大に行っていたため、日曜日のみ参加。朝9時~12時半くらいまであります。プログラムを見ると、部会ごとに発表になっていて、どこかで聞いたことがある先生の発表が多いです。

 

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1ヶ月くらい前にプログラムが送られてきます。



発表内容は「ベイジアン花盛り」という印象。一見複雑に見える数式がたくさん出てきます。こういうときは「自分に数学力があれば…」と後悔してしまいます…。


分析は R が普通に使われています。もちろん SPSS も使われています。中にはなんとか理解できる発表もあり。学者じゃなくても、知的ストレットにするには、学会に参加するのはとてもいいです。



なお、この学会はマーケティングサイエンスに興味がある方なら、推薦者がいなくても会員になれます(賛助会員)。年会費を払うだけで、特に学会の参加費もいりません。

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。