サービス・マーケティング3つのパラダイム
イタリアのマーケティング学会誌(たぶん)の Editorial*1 が勉強になったので、自分用メモ。著者は Evert Gummesson。日本では、ガメソンとかグメソンとかグマソンとか呼ばれています。たぶん、いちばん近い発音はグマソンかと。ストックホルム・ビジネススクールの先生です。
PDFファイルはこちら↓
http://www.francoangeli.it/Area_RivistePDF/getArticolo.ashx?idArticolo=45509
自分の研究に関係がありそうなものをネット上で物色してたどり着きました。イタリア語はよくわからないのですが、どうもサービス・マーケティングの特集号のようです。この Editorial はサービス・マーケティング研究の歴史を3つにわけて簡単に紹介しています*2。
その3つは次のとおりです。
- パラダイム1 1970年代まで サービスが認知される、すべてはモノ・製造業の時代。
- パラダイム2 1970年代〜2000年まで モノとサービスの違いを追求した時代
- パラダイム3 2000年以降 共有・相互依存およびシステムアプローチの時代
現代のサービス研究に重要なのは3つ目のパラダイムです。このパラダイムには、さらに3つの柱があると著者は言っています。
- S-Dロジック
- サービス・サイエンス
- 複雑性の研究(Complexity Studies)
S-Dロジックはすでに当ブログで詳しく説明しています。サービス・サイエンスはIBMのお商売です*3。私には3つ目の「複雑性の研究」が勉強になりました。マーケティングの複雑性は、ケーススタディ・ネットワーク理論・システム理論で研究されている、と。システム理論による「VSAアプローチ」という方法があることも初めて知りました。いまはそれぞれ何のことだかよくわかりませんが、参考文献がちゃんと紹介されているので、後で調べてみることにしますå。
自分の研究フィールドは零細業ですから、すぐに役立てられるかわからないですが、ちょうど研究の幅を広げたいなと思っていたところに読んだ論考なので、勉強になりました。